スノーコあれこれ
2020年12月6日 Magic: The Gatheringエターナルウィークエンド東京が終わった。
コロナウイルスの影響でしばらくリアルの大会はないし、mo上でも特に大きなレガシーイベントはなかった(気がする)。イベント中止期間が終わればカルドハイムの発売もすぐそこだ。
なのに何故今更スノーコの話を、しかも結果を全く残してないにも関わらずしようかと思ったかというと、知り合いに「たとえ間違っててもとりあえず手動かさないと一生前に進まんで(意訳)」みたいなことを言われたので、好きなスノーコについて拙いながらも言語化してみようかなと思った次第である。
というわけでスノーコの話をするのだけど、別にリストの解説をしようとかサイドインアウトを書こうとかそういう感じではなく、もっとざっくばらんに、採用カードやそれぞれのデッキに対する戦略思想とかを自分の考えで書いていこうと思う。
まずメインデッキについて。
スノーコはレガシープールにある膨大なカード群から取捨選択をしていくので、人によってかなりデッキの構成が異なるが、1つ大事な基本理念があると思っていて、それは「フェアに強くする」ということ。
よくメインからカウンターやハンデスを採用して「これでコンボにも強いぜ!」みたいなことをしている人がいる(ような気がする)が、これは誤っていると思う。
まず前提として、スノーコのメインにソープロやプッシュのような単体除去や、真冬や至高の評決といった全体除去が入ってないことはまずないだろう。すなわちコンボデッキを相手にしたときに最初から無駄なカードは絶対に入っているわけだ。そしてコンボデッキ側は完全に無駄なカードというのは大抵メインには一切入っていない。この時点でもうハンデを背負っているのだ。
でも今まで青白奇跡みたいな除去が入っててもコンボにも結構強いコントロールあるじゃん、と思ったかもしれないが、2つ違いがあると感じる。1つ目、スノーコというデッキは過去の青白奇跡などとは違ってタップアウトコントロールであること。2つ目、ドロー操作が弱いことである。
スノーコは最終的にウーロとオーコという手札の増えない3マナソーサリーアクションを通して殴り勝つ必要があるため、軽量カウンターと瞬唱の魔導士で常にマナを構えながら相手を牽制してゲームを長引かせ、神ジェイスで蓋をするといったような戦い方はハナからできるようになってないのである。
そして、他のコントロールでは「定業」「先触れ」といったドロー操作が入っていた枠にアーカムの天測儀と氷牙のコアトルが入っているため、そのマッチアップ毎に必要なカードを探しに行くのが難しい。
特にコンボ相手は必要なカードと無駄なカードがはっきり分かれている故に、ただカードを引いているだけでは手に不要牌が溜まっていって相手のコンボになす術なく負け。となるのだ。
よってメインからコンボに強くするためにマナのかかるカウンターやハンデスを少々入れるのではなく、メインはフェアにしっかり寄せて自分の動きを完遂し、サイド後無駄カードがない状態にして普通にカードを引いていくだけで妨害を可能にする。といった状態が望ましいと思われる。
※ちなみにマナのかかるカウンターもハンデスもフェアに対してはどちらかというと弱いカテゴリに含まれると考えている。前者はまずそもそも自分の戦略と合ってないのは上で述べた通りだが、それに加えて両方とも盤面に出たカードに対処できないからだ。盤面のカードに対処できるカードというのは大抵いつ引いても良いがカウンターやハンデスは後引きが許容しづらい。フェア相手は特にロングゲームをする以上後引きで弱いカードは少ないに越したことはない。
ここからはカードの具体名を出して、そのカードがどう必要なのかみたいな話をしていこうと思う。
・紅蓮破
おそらく今最もメインに入れるべきカードだと思っている。
後引きできるカウンターでしかも軽いとこのデッキにおいて必要な要素を完璧に満たしている。
非青デッキには無駄牌となるが、現在非青で環境に存在するのはデスタク、エルフ、ホガークとなっていると考えていて、このうちホガーク相手はメインに紅蓮破が入っているかどうかに関係なくメインはほぼ勝てないので関係なく、デスタクとエルフには少々ガードが下がるものの、それ以外の青いデッキに対してメインから有利に立ち回りつつサイドボードの枠を開けられるのでトータルで見れば勝率を上げる行為だと思っているのでメイン紅蓮破を提唱する。(一応無駄マッチでも空撃ちしてウーロのコストに当てるという小技はある。)
なおどうしても気になるのなら同じような役割を持つ湖での水難でも良いが、ウーロとオーコに対するガードが下がるので、紅蓮破の方が優れていると感じる。
・氷牙のコアトルorサメ台風
初期はコアトル4だったものの、今はコアトル3.サメ台風1であったり、サメ台風のみを3枚程度採用したリストもあるが、現在最も良いバランスはコアトル3:サメ1だろう。
確かにサメ台風はゲーム後半に引いた時の強さは段違いであるし、ミラーにおいても強い1枚になるが、しかしコアトルが明確に優先される理由がある。戦慄衆の秘技術師を相手にしたときだ。
タフネスが3もある上に攻撃するだけでアドバンテージを産み続けるこのカードを止めるためにはサメ台風の場合5マナが必要だが、コアトルの場合は2マナと秘技術師が出たターンにすぐに合わせられるこの軽さは、ティムールデルバーがトップメタである現環境においては大きなポイントだ。
他にも、オーコやウーロをプレイする3ターン目はスキが出来やすいが、コアトルをプレイすることでそのスキを埋めてテンポ良く脅威をプレイできる。テンポが重視されやすいレガシーにおいてはこれもまた重要なポイントになる。
ただ最初に述べたようにゲーム後半に引いた時の強さは評価できるためコアトル3:サメ1のバランスが良いと思われる。
・突然の衰微
暗殺者の戦利品と枠を争うことになるであろう万能パーマネント除去枠だが、今のところ明確に突然の衰微の方が優れている。
というのも、「精神を刻む者、ジェイス」がオーコの影響で環境から退場した今、突然の衰微だと対処できない主要なパーマネントというと、ショーテルの使う「騙し討ち」「全知」、「わめき騒ぐマンドリル」「天上の餌あさり」等の探査生物、「暗黒の深部」「死者の原野」といった致命的な能力を持った土地であるが、まず騙し討ちと全知は設置された時点で大体負けているし、探査生物はウーロとオーコの前にあまりにも無力なので元より対処は容易である。
では土地は?というとこれも微妙なところだ。というのもこれらの土地を利用するデッキには大抵基本土地と「輪作」「エルフの開墾者」といった自分の土地をリソースに必要な土地を持ってくるカードが入っているので、折角破壊しても与えた基本土地をまた変換されてしまうためイマイチ効果が薄いのだ。さらに土地単には壌土からの生命で破壊した土地を使い回されるので完全に意味がない。
となると、土地を与えない上に、「打ち消されない」というレガシーにおいて大きなボーナスが付いている突然の衰微に軍配が上がるわけだ。
もしオーコが禁止されたならジェイスや探査生物が今より使われるようになるだろうから暗殺者の戦利品を採用する意味が出てくる。
※ここからサイドカード
・死者の原野
これはミラーを見るなら間違いなくサイドに用意しておきたい1枚。
土地なのでカウンターできず、場に出た後も対処しづらく、隙なく設置できる上に効果は絶大といいことづくめ。土地7種類も冠雪とデュアルランドを被らないように並べれば達成できるし、ミラーならそれは簡単に行える。
また今流行りの宮廷サイクルに対しても統治者をゾンビトークンですぐ奪えるのでこちらの方が優れているだろう。
あまりおすすめしないがもしメインボードに入れるときは21枚目の土地の枠に入れてスペルとして換算したほうがいい。
そして採用するなら2枚採用するのがベスト。1枚だとオーコから生み出された鹿に止められやすいのと、ゲーム後半になるとフェッチランドから持ってこれる土地がなくなって効果が半減するため、なるべく7枚目の土地までに置きたいからだ。
・翻弄する魔導士
コンボ対策の枠になるわけだが、まずコンボ対策をするならヘイトベアを使うのが1番良いという話をしよう。
というのも、コンボ相手の定番であるソフトカウンターやハンデスは現在大抵のコンボに標準搭載されている「夏の帳」の影響をモロに食らってしまうし、どうしてもロングゲームをすることになるスノーコに対してはハンデス後の立て直しやソフトカウンターに引っかからないようマナを伸ばす時間を作られてしまうので、置物を置いてそれを触れる相手の数少ないカードをカウンターや夏の帳で守る戦略がよい。
そしてスノーコ側はいつか相手のライフを0にしなければならない以上、置物がゲームを終わらせる手助けをしてくれるのは大きな助けになるため、ヘイトベアを採用するのが1番良い、となるのだ。
では何故翻弄する魔導士なのか?というと、対処できる範囲が圧倒的に広いからだ。
例えば「スレイベンの守護者、サリア」はショーテル系には大した効果は望めないし、「封じ込める僧侶」はANTには無力だ。
しかし、翻弄する魔導士ならばそのデッキ毎に合わせてキーカードを完全に対処してしまうためサイドインできる相手が他のヘイトベアと比べて非常に多い。ANT、ショーテルといった定番コンボはもちろん、エルフ(自然の秩序、垣間見る自然)、ホガーク(ホガーク、狂気の祭壇)といった特定の対処が難しいカード群を使うデッキにも問題なくサイドインできる。
少々知識は必要だし自分も100%使いこなせているとは言い難いが是非試して欲しい1枚。
・墓地対策
現在は虚無の呪文爆弾>魂標ランタン≧大祖始の遺産>外科的摘出≧虚空の力線>その他
といったところだろうか。
まず現在の環境におけるウーロの存在感は無視できるものではない。ならばできるだけウーロを損せず対処したいのでキャントリップ付きの墓地対策が良い→自分もウーロを使う以上自分の墓地はなるべく追放したくない→墓地利用デッキ相手にはマリガンを重ねて探すことがあるため墓地追放しながらカードを引きたい→よって呪文爆弾>ランタン≧遺産の順になる。
外科的摘出はカードカウントは損するもののウーロを全て追放できる、墓地を利用しないコンボ相手にも採用する余地がある点は優れているが、現状墓地利用するデッキでトップシェアであるホガークは1種類追放した程度では大抵止まらないため少々効果が薄いため優先順位が下がっている。
虚空の力線はホガークやリアニメイトに絶大な効果を発揮するが、初手に絶対必要なため3〜4枚取る必要がある上ウーロデッキ相手にサイドイン出来ないかなり落ちる。
それ以外はこれら5枚に劣ってる要素しかないので採用することはないだろう。
ここからはマッチアップ毎の話を。
と言ってもサイドインアウトは相手のデッキの入ってるカードやお互いの練度などによって容易に変動するため、正確な枚数の記載はしないでおく。
vsデルバー
相手の脅威を片っ端から捌いてウーロかオーコで蓋をするのが共通のプランになる。
ひと昔前と違ってオーコが入っている関係上、デルバー側もマナを3まで伸ばす必要があるため、「目くらまし」は序盤3ターン目まで(特に先手)は基本ケアせず積極的に呪文をプレイして相手にイニシアチブを取られないように立ち回るのが良さそうだ。
アドバンテージ獲得手段は豊富にあること、相手もサイド後は脅威やこちらのカードを捌く手段を増やしてくること、ロングゲームになればこちらが有利なことから、序盤の攻防において助けになってくれる意志の力はサイドアウトしない。メインから有利に作られているため最小限のサイドインアウトに留める。
「疫病を仕組むもの」はサイドボードにあってもこのマッチでは入れない。
3マナと重い割に相手の脅威を確実に除去してくれるわけでもなく、稲妻のいい的になるだけである。
vsミラー
とにかく非常に長いゲームを戦うことになるだろう。
このマッチ最大の敵は時間なので常に素早いプレイが求められる。処理の短縮なども(正しく)駆使して時間を有効に使おう。
ゲーム内容としてはウーロを対処されなかった方の勝ちになりやすい。特にメインボードは同じようなカードしか入っていないためウーロがカードアドバンテージを稼ぎ始めるとひっくり返すのは難しい。捲れないかもと思ったらとっとと投了して残り2ゲームを完遂する時間を用意しよう。
サイド後は墓地対策や追加の勝ち手段が入ってくるためゲームはもう少し複雑になるが、やはりウーロが大きなポイントになる。だからといって「剣を鍬に」をサイド後も残したりしないこと。アド損しているしそれ以外の攻防にほとんど関与しないため残しても1枚だけにする。
また花の絨毯がサイドに用意してあってもサイドインしないこと。序盤5ターン程度しか強くない上稼げても1〜2マナ程度、しかも超ロングゲームをするのにゲーム後半は不要なので効果の割にピーキーなカードだ。最大の問題はトレストの使者、レオヴォルドが相手の場にいると毎ターン1枚カードを引かせてしまうため勝負にならなくなる。
しつこいようだが時間が最大の敵だ。ウーロ+カラカスで物理的に終わらない試合もあるが、引き分けはほぼ負けと同義なので相手の遅いプレイを咎めることも躊躇わず素早くゲームを進めよう。
vsホガーク
メインはほぼ勝てないのでサイド後2本をいかにして勝つかのゲームだ。
置物を守る戦いになるが、否定の力はピッチで撃てるタイミングで除去を撃ってこないので抜いて、突然の衰微や暗殺者の戦利品対策の夏の帳を入れてオーコかウーロでなるべく早くゲームに勝つことを目標にする。相手も置物を割る手段がない時は真っ当な戦闘を行ういわゆるリミテッドモードになるので、しっかりとコンバットを行わないといずれ相手がこちらの防御手段を上回るor普通にライフがなくなって負けてしまう。これはアンフェア相手に共通しているポイントなので、アンフェアを相手にした時はゲームレンジをなるべく短くすることを意識した方が良い。
vsデス&タックス
デルバーと同じく相手の脅威を捌いてウーロかオーコで蓋をするのだがスカイクレイブの亡霊にだけ注意。オーコはプレイ後すぐ自分の盤面に鹿を作ることを意識するなどのケアが必要だ。
デルバーと違ってドローソースやカウンター、継続的なアドバンテージ獲得手段はほぼ皆無なので、土地をしっかり伸ばして相手のリシャーダの港から逃れ、盤面の脅威に回答してしまえばゲーム後半は相手が無駄なカードを引きやすい分デルバー相手より遥かに楽なゲームができるだろう。
サイド後は大変動がクリティカルにならないように土地を置く時は本当に必要セットランドなのかを考慮しておくこと。手札に土地さえあればウーロで容易に復旧できる。
vsエルフ
除去していってウーロオーコで蓋。ひょっとしてこのデッキこれしかすることない…?
アロサウルス飼い→自然の秩序の流れをケアするために除去は1枚温存しておく。
逆に状況次第ではあるが意志の力は比較的カジュアルに使って良い。自然の秩序と垣間見る自然はもちろん、ワイアウッドの共生虫、遺産のドルイド、緑の太陽の頂点(x=0を除く)あたりが使い所になりやすい。
真冬や疫病を仕組むもので嵌めるのも勝ち手段になるためにワイアウッドの共生虫はマスト対処。
上手なプレイヤーは最低限のクリーチャーを並べてビートダウンしてくるため、急に死ぬことを恐れすぎずにこちらからもプレッシャーをかけて相手のリソースを吐き出させる必要がある。このマッチは相手の腕に大きく依存するため、上手なエルフ使いがいたら積極的に観察してみるのもいいだろう。攻略の糸口が見えるかもしれない。
※なお上手なプレイヤーが自分の使う予定のデッキと戦っているのを見るのは大変勉強になるため、このマッチ、このデッキに関わらず行うのがいい。
vsオムニテル
最近はメインから夏の帳が入っていて厳しい相手になるが、実物提示教育に勝ち手段を依存しているため翻弄する魔導士が採用してあればサイド後はかなり楽に戦える。
ウーロとコアトルにしか対処できないカードは不要。それらは自分も使っているのだから相打ちにすることで本当に通したらいけないカードに使うカードを節約する方が良い。
以上、スノーコにおいて自分が意識している内容を書き出してみた。
スノーコは本当に十人十色と言った感じのデッキで、この先も(天測儀が禁止されなければ)レガシー環境に居座り続けることになると思う。
もしこの内容が皆さんの長く続いていくであろうレガシーライフの一助になればこれほど嬉しい事はない。
それでは、またいずれ。
コロナウイルスの影響でしばらくリアルの大会はないし、mo上でも特に大きなレガシーイベントはなかった(気がする)。イベント中止期間が終わればカルドハイムの発売もすぐそこだ。
なのに何故今更スノーコの話を、しかも結果を全く残してないにも関わらずしようかと思ったかというと、知り合いに「たとえ間違っててもとりあえず手動かさないと一生前に進まんで(意訳)」みたいなことを言われたので、好きなスノーコについて拙いながらも言語化してみようかなと思った次第である。
というわけでスノーコの話をするのだけど、別にリストの解説をしようとかサイドインアウトを書こうとかそういう感じではなく、もっとざっくばらんに、採用カードやそれぞれのデッキに対する戦略思想とかを自分の考えで書いていこうと思う。
まずメインデッキについて。
スノーコはレガシープールにある膨大なカード群から取捨選択をしていくので、人によってかなりデッキの構成が異なるが、1つ大事な基本理念があると思っていて、それは「フェアに強くする」ということ。
よくメインからカウンターやハンデスを採用して「これでコンボにも強いぜ!」みたいなことをしている人がいる(ような気がする)が、これは誤っていると思う。
まず前提として、スノーコのメインにソープロやプッシュのような単体除去や、真冬や至高の評決といった全体除去が入ってないことはまずないだろう。すなわちコンボデッキを相手にしたときに最初から無駄なカードは絶対に入っているわけだ。そしてコンボデッキ側は完全に無駄なカードというのは大抵メインには一切入っていない。この時点でもうハンデを背負っているのだ。
でも今まで青白奇跡みたいな除去が入っててもコンボにも結構強いコントロールあるじゃん、と思ったかもしれないが、2つ違いがあると感じる。1つ目、スノーコというデッキは過去の青白奇跡などとは違ってタップアウトコントロールであること。2つ目、ドロー操作が弱いことである。
スノーコは最終的にウーロとオーコという手札の増えない3マナソーサリーアクションを通して殴り勝つ必要があるため、軽量カウンターと瞬唱の魔導士で常にマナを構えながら相手を牽制してゲームを長引かせ、神ジェイスで蓋をするといったような戦い方はハナからできるようになってないのである。
そして、他のコントロールでは「定業」「先触れ」といったドロー操作が入っていた枠にアーカムの天測儀と氷牙のコアトルが入っているため、そのマッチアップ毎に必要なカードを探しに行くのが難しい。
特にコンボ相手は必要なカードと無駄なカードがはっきり分かれている故に、ただカードを引いているだけでは手に不要牌が溜まっていって相手のコンボになす術なく負け。となるのだ。
よってメインからコンボに強くするためにマナのかかるカウンターやハンデスを少々入れるのではなく、メインはフェアにしっかり寄せて自分の動きを完遂し、サイド後無駄カードがない状態にして普通にカードを引いていくだけで妨害を可能にする。といった状態が望ましいと思われる。
※ちなみにマナのかかるカウンターもハンデスもフェアに対してはどちらかというと弱いカテゴリに含まれると考えている。前者はまずそもそも自分の戦略と合ってないのは上で述べた通りだが、それに加えて両方とも盤面に出たカードに対処できないからだ。盤面のカードに対処できるカードというのは大抵いつ引いても良いがカウンターやハンデスは後引きが許容しづらい。フェア相手は特にロングゲームをする以上後引きで弱いカードは少ないに越したことはない。
ここからはカードの具体名を出して、そのカードがどう必要なのかみたいな話をしていこうと思う。
・紅蓮破
おそらく今最もメインに入れるべきカードだと思っている。
後引きできるカウンターでしかも軽いとこのデッキにおいて必要な要素を完璧に満たしている。
非青デッキには無駄牌となるが、現在非青で環境に存在するのはデスタク、エルフ、ホガークとなっていると考えていて、このうちホガーク相手はメインに紅蓮破が入っているかどうかに関係なくメインはほぼ勝てないので関係なく、デスタクとエルフには少々ガードが下がるものの、それ以外の青いデッキに対してメインから有利に立ち回りつつサイドボードの枠を開けられるのでトータルで見れば勝率を上げる行為だと思っているのでメイン紅蓮破を提唱する。(一応無駄マッチでも空撃ちしてウーロのコストに当てるという小技はある。)
なおどうしても気になるのなら同じような役割を持つ湖での水難でも良いが、ウーロとオーコに対するガードが下がるので、紅蓮破の方が優れていると感じる。
・氷牙のコアトルorサメ台風
初期はコアトル4だったものの、今はコアトル3.サメ台風1であったり、サメ台風のみを3枚程度採用したリストもあるが、現在最も良いバランスはコアトル3:サメ1だろう。
確かにサメ台風はゲーム後半に引いた時の強さは段違いであるし、ミラーにおいても強い1枚になるが、しかしコアトルが明確に優先される理由がある。戦慄衆の秘技術師を相手にしたときだ。
タフネスが3もある上に攻撃するだけでアドバンテージを産み続けるこのカードを止めるためにはサメ台風の場合5マナが必要だが、コアトルの場合は2マナと秘技術師が出たターンにすぐに合わせられるこの軽さは、ティムールデルバーがトップメタである現環境においては大きなポイントだ。
他にも、オーコやウーロをプレイする3ターン目はスキが出来やすいが、コアトルをプレイすることでそのスキを埋めてテンポ良く脅威をプレイできる。テンポが重視されやすいレガシーにおいてはこれもまた重要なポイントになる。
ただ最初に述べたようにゲーム後半に引いた時の強さは評価できるためコアトル3:サメ1のバランスが良いと思われる。
・突然の衰微
暗殺者の戦利品と枠を争うことになるであろう万能パーマネント除去枠だが、今のところ明確に突然の衰微の方が優れている。
というのも、「精神を刻む者、ジェイス」がオーコの影響で環境から退場した今、突然の衰微だと対処できない主要なパーマネントというと、ショーテルの使う「騙し討ち」「全知」、「わめき騒ぐマンドリル」「天上の餌あさり」等の探査生物、「暗黒の深部」「死者の原野」といった致命的な能力を持った土地であるが、まず騙し討ちと全知は設置された時点で大体負けているし、探査生物はウーロとオーコの前にあまりにも無力なので元より対処は容易である。
では土地は?というとこれも微妙なところだ。というのもこれらの土地を利用するデッキには大抵基本土地と「輪作」「エルフの開墾者」といった自分の土地をリソースに必要な土地を持ってくるカードが入っているので、折角破壊しても与えた基本土地をまた変換されてしまうためイマイチ効果が薄いのだ。さらに土地単には壌土からの生命で破壊した土地を使い回されるので完全に意味がない。
となると、土地を与えない上に、「打ち消されない」というレガシーにおいて大きなボーナスが付いている突然の衰微に軍配が上がるわけだ。
もしオーコが禁止されたならジェイスや探査生物が今より使われるようになるだろうから暗殺者の戦利品を採用する意味が出てくる。
※ここからサイドカード
・死者の原野
これはミラーを見るなら間違いなくサイドに用意しておきたい1枚。
土地なのでカウンターできず、場に出た後も対処しづらく、隙なく設置できる上に効果は絶大といいことづくめ。土地7種類も冠雪とデュアルランドを被らないように並べれば達成できるし、ミラーならそれは簡単に行える。
また今流行りの宮廷サイクルに対しても統治者をゾンビトークンですぐ奪えるのでこちらの方が優れているだろう。
あまりおすすめしないがもしメインボードに入れるときは21枚目の土地の枠に入れてスペルとして換算したほうがいい。
そして採用するなら2枚採用するのがベスト。1枚だとオーコから生み出された鹿に止められやすいのと、ゲーム後半になるとフェッチランドから持ってこれる土地がなくなって効果が半減するため、なるべく7枚目の土地までに置きたいからだ。
・翻弄する魔導士
コンボ対策の枠になるわけだが、まずコンボ対策をするならヘイトベアを使うのが1番良いという話をしよう。
というのも、コンボ相手の定番であるソフトカウンターやハンデスは現在大抵のコンボに標準搭載されている「夏の帳」の影響をモロに食らってしまうし、どうしてもロングゲームをすることになるスノーコに対してはハンデス後の立て直しやソフトカウンターに引っかからないようマナを伸ばす時間を作られてしまうので、置物を置いてそれを触れる相手の数少ないカードをカウンターや夏の帳で守る戦略がよい。
そしてスノーコ側はいつか相手のライフを0にしなければならない以上、置物がゲームを終わらせる手助けをしてくれるのは大きな助けになるため、ヘイトベアを採用するのが1番良い、となるのだ。
では何故翻弄する魔導士なのか?というと、対処できる範囲が圧倒的に広いからだ。
例えば「スレイベンの守護者、サリア」はショーテル系には大した効果は望めないし、「封じ込める僧侶」はANTには無力だ。
しかし、翻弄する魔導士ならばそのデッキ毎に合わせてキーカードを完全に対処してしまうためサイドインできる相手が他のヘイトベアと比べて非常に多い。ANT、ショーテルといった定番コンボはもちろん、エルフ(自然の秩序、垣間見る自然)、ホガーク(ホガーク、狂気の祭壇)といった特定の対処が難しいカード群を使うデッキにも問題なくサイドインできる。
少々知識は必要だし自分も100%使いこなせているとは言い難いが是非試して欲しい1枚。
・墓地対策
現在は虚無の呪文爆弾>魂標ランタン≧大祖始の遺産>外科的摘出≧虚空の力線>その他
といったところだろうか。
まず現在の環境におけるウーロの存在感は無視できるものではない。ならばできるだけウーロを損せず対処したいのでキャントリップ付きの墓地対策が良い→自分もウーロを使う以上自分の墓地はなるべく追放したくない→墓地利用デッキ相手にはマリガンを重ねて探すことがあるため墓地追放しながらカードを引きたい→よって呪文爆弾>ランタン≧遺産の順になる。
外科的摘出はカードカウントは損するもののウーロを全て追放できる、墓地を利用しないコンボ相手にも採用する余地がある点は優れているが、現状墓地利用するデッキでトップシェアであるホガークは1種類追放した程度では大抵止まらないため少々効果が薄いため優先順位が下がっている。
虚空の力線はホガークやリアニメイトに絶大な効果を発揮するが、初手に絶対必要なため3〜4枚取る必要がある上ウーロデッキ相手にサイドイン出来ないかなり落ちる。
それ以外はこれら5枚に劣ってる要素しかないので採用することはないだろう。
ここからはマッチアップ毎の話を。
と言ってもサイドインアウトは相手のデッキの入ってるカードやお互いの練度などによって容易に変動するため、正確な枚数の記載はしないでおく。
vsデルバー
相手の脅威を片っ端から捌いてウーロかオーコで蓋をするのが共通のプランになる。
ひと昔前と違ってオーコが入っている関係上、デルバー側もマナを3まで伸ばす必要があるため、「目くらまし」は序盤3ターン目まで(特に先手)は基本ケアせず積極的に呪文をプレイして相手にイニシアチブを取られないように立ち回るのが良さそうだ。
アドバンテージ獲得手段は豊富にあること、相手もサイド後は脅威やこちらのカードを捌く手段を増やしてくること、ロングゲームになればこちらが有利なことから、序盤の攻防において助けになってくれる意志の力はサイドアウトしない。メインから有利に作られているため最小限のサイドインアウトに留める。
「疫病を仕組むもの」はサイドボードにあってもこのマッチでは入れない。
3マナと重い割に相手の脅威を確実に除去してくれるわけでもなく、稲妻のいい的になるだけである。
vsミラー
とにかく非常に長いゲームを戦うことになるだろう。
このマッチ最大の敵は時間なので常に素早いプレイが求められる。処理の短縮なども(正しく)駆使して時間を有効に使おう。
ゲーム内容としてはウーロを対処されなかった方の勝ちになりやすい。特にメインボードは同じようなカードしか入っていないためウーロがカードアドバンテージを稼ぎ始めるとひっくり返すのは難しい。捲れないかもと思ったらとっとと投了して残り2ゲームを完遂する時間を用意しよう。
サイド後は墓地対策や追加の勝ち手段が入ってくるためゲームはもう少し複雑になるが、やはりウーロが大きなポイントになる。だからといって「剣を鍬に」をサイド後も残したりしないこと。アド損しているしそれ以外の攻防にほとんど関与しないため残しても1枚だけにする。
また花の絨毯がサイドに用意してあってもサイドインしないこと。序盤5ターン程度しか強くない上稼げても1〜2マナ程度、しかも超ロングゲームをするのにゲーム後半は不要なので効果の割にピーキーなカードだ。最大の問題はトレストの使者、レオヴォルドが相手の場にいると毎ターン1枚カードを引かせてしまうため勝負にならなくなる。
しつこいようだが時間が最大の敵だ。ウーロ+カラカスで物理的に終わらない試合もあるが、引き分けはほぼ負けと同義なので相手の遅いプレイを咎めることも躊躇わず素早くゲームを進めよう。
vsホガーク
メインはほぼ勝てないのでサイド後2本をいかにして勝つかのゲームだ。
置物を守る戦いになるが、否定の力はピッチで撃てるタイミングで除去を撃ってこないので抜いて、突然の衰微や暗殺者の戦利品対策の夏の帳を入れてオーコかウーロでなるべく早くゲームに勝つことを目標にする。相手も置物を割る手段がない時は真っ当な戦闘を行ういわゆるリミテッドモードになるので、しっかりとコンバットを行わないといずれ相手がこちらの防御手段を上回るor普通にライフがなくなって負けてしまう。これはアンフェア相手に共通しているポイントなので、アンフェアを相手にした時はゲームレンジをなるべく短くすることを意識した方が良い。
vsデス&タックス
デルバーと同じく相手の脅威を捌いてウーロかオーコで蓋をするのだがスカイクレイブの亡霊にだけ注意。オーコはプレイ後すぐ自分の盤面に鹿を作ることを意識するなどのケアが必要だ。
デルバーと違ってドローソースやカウンター、継続的なアドバンテージ獲得手段はほぼ皆無なので、土地をしっかり伸ばして相手のリシャーダの港から逃れ、盤面の脅威に回答してしまえばゲーム後半は相手が無駄なカードを引きやすい分デルバー相手より遥かに楽なゲームができるだろう。
サイド後は大変動がクリティカルにならないように土地を置く時は本当に必要セットランドなのかを考慮しておくこと。手札に土地さえあればウーロで容易に復旧できる。
vsエルフ
除去していってウーロオーコで蓋。ひょっとしてこのデッキこれしかすることない…?
アロサウルス飼い→自然の秩序の流れをケアするために除去は1枚温存しておく。
逆に状況次第ではあるが意志の力は比較的カジュアルに使って良い。自然の秩序と垣間見る自然はもちろん、ワイアウッドの共生虫、遺産のドルイド、緑の太陽の頂点(x=0を除く)あたりが使い所になりやすい。
真冬や疫病を仕組むもので嵌めるのも勝ち手段になるためにワイアウッドの共生虫はマスト対処。
上手なプレイヤーは最低限のクリーチャーを並べてビートダウンしてくるため、急に死ぬことを恐れすぎずにこちらからもプレッシャーをかけて相手のリソースを吐き出させる必要がある。このマッチは相手の腕に大きく依存するため、上手なエルフ使いがいたら積極的に観察してみるのもいいだろう。攻略の糸口が見えるかもしれない。
※なお上手なプレイヤーが自分の使う予定のデッキと戦っているのを見るのは大変勉強になるため、このマッチ、このデッキに関わらず行うのがいい。
vsオムニテル
最近はメインから夏の帳が入っていて厳しい相手になるが、実物提示教育に勝ち手段を依存しているため翻弄する魔導士が採用してあればサイド後はかなり楽に戦える。
ウーロとコアトルにしか対処できないカードは不要。それらは自分も使っているのだから相打ちにすることで本当に通したらいけないカードに使うカードを節約する方が良い。
以上、スノーコにおいて自分が意識している内容を書き出してみた。
スノーコは本当に十人十色と言った感じのデッキで、この先も(天測儀が禁止されなければ)レガシー環境に居座り続けることになると思う。
もしこの内容が皆さんの長く続いていくであろうレガシーライフの一助になればこれほど嬉しい事はない。
それでは、またいずれ。
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